接触問題解析プログラムTED/CPA
TED/CPA計算例
74. 油膜を滑空する円形部品の非定常流体潤滑の計算
 1. DRYの接触セッショク圧力アツリョク分布ブンプの計算
油膜を滑空する円形部品の非定常流体潤滑の計算例を示します。
円形部品の形状は下図のとおりです。円形部品は静止しています。
0.1 秒の間に下部平板を静止している状態から5000 mm/sec まで一気に加速して計算させました。
加速曲線は下図に示したとおりです。0.1 秒間を 500 等分して計算しました。
下部平板の速度が上がるにつれて動圧で円形部品が浮上します。
円形部品は -Y 軸回りに自由に回転します。すなわち油膜圧力による-Y 軸回りのモーメントは0です。
表面粗さを付けました。表面粗さが無ければ速度0の計算を実行することはできません。
その他の計算条件は次のとおりです。
垂直荷重               Fz  : 5000   N
-Y軸回りのモーメント  M-y  : 0   N・mm
ヤング率              E : 206000   MPa
ポアソン比           ν : 0.3
潤滑油常圧粘性係数   η0  : 1.0・10-7   MPa・sec
潤滑油圧力粘度係数  α     0.01       MPa-1
円形部品表面粗さ   Ru,rms     0.001      mm
下部平板表面粗さ Rd,rms     0.001      mm
円形部品は柔らかい2層のコーティング層でコーティングされています。
層1 厚さ : 0.02 mm ヤング率 : 10000 MPa   ポアソン比 :0.3
層2 厚さ : 0.05 mm ヤング率 :  5000 MPa   ポアソン比 :0.3
以下に第1時刻,第51時刻,第101時刻,第151時刻,・・・第501時刻の流体潤滑圧力PHDと
固体接触圧力PSCの分布図を示します。左列がPHD、右列がPSCです。
これらの分布図は興味深い推移を示しています。
流体潤滑圧力PHDは第501時刻ではなく、第301時刻付近で最大面圧を示します。
固体接触圧力PSCは第1時刻ではなく、 第151時刻付近で最大面圧を示します。
これは円形部品の傾斜角θとの関係によるものです。
                        流体潤滑圧力PHD                                      固体接触圧力PSC
第1時刻
第51時刻
第101時刻
第151時刻
第201時刻
第251時刻
第301時刻
第351時刻
第401時刻
第451時刻
第501時刻
支持荷重の推移は次のとおりです。
浮上量の推移は次のとおりです。
上部円盤の傾斜角の推移は次の通りです。第350時刻以降で傾斜が緩くなっています。